伊藤まさひろ世事感懐

千葉県民の運転マナー

日本自動車連盟(JAF)がおよそ2000人に聞いた調査では、10人のうち4人が「千葉県の自動車運転マナーが悪い」と答えました。回答者の90%以上が千葉県居住者で、県民自ら、千葉県民の自動車運転マナーは良くないと感じていることが明らかになりました。

「ウインカー(方向指示器)が遅い」「急な車線変更や右左折」「無理な割り込み」など、いずれも事故に繋がる危険な行為が指摘されました。このほか、携帯電話をかけながらの運転やスピード超過、信号無視などの指摘も多かったそうです。残念なことですが、以前から「千葉県内では荒っぽい運転をするドライバーが目立つ」という声が他県のドライバーの間にありました。今回の調査でそれが改善していないということになりました。

インターネットを利用した別のアンケートの結果によると、運転マナーが悪いとされた都道府県の順位で、千葉県は7位と上位ランキング入りをしました。「まだ上に運転マナーが悪いところがある」などと言っている場合ではありません。

確かに、自動車を運転していて、思わず眉をひそめるような走行をする自動車を見かけることがあります。信号が黄色なのに、交差点に進入してくる車やスピードオーバーの車が目立ちます。「信号のない横断歩道を渡ろうとした歩行者に対して、一時停車もせずにクラクションを鳴らし、歩行者をにらみつけたドライバーがいた」との県民からの報告もあります。

自動車ばかりでなく、バイクの交通マナーの悪さも目立ちます。混雑している高速道路では、左右の車線をまたいでスラローム走行する「すり抜け」をするバイクが多く、わずかな車の隙間をすり抜ける運転にはらはらさせられます。追い越し禁止の渋滞した道路では、平気で黄色いセンターラインを越え、車列の前方に出ようとするバイクもしょっちゅう見かけるようになりました。

JAFの調査では、マナー改善策についてもアンケートがされました。「警察の取り締まりを強化する」「免許取得や更新の際に教育する」などの回答がありましたが、結局はドライバーの自覚の問題という意見が多かったようです。

かつて、制限速度を越え、車線変更を頻繁にして追い越し、追い抜きを繰り返し〝暴走〟する車と、交通ルールを守って走る車との間で、目的地に到着するまでにどれほどの時間の開きがあるかを実際に調べたことがあります。どれほどの距離で実験したのかは失念しましたが、その差は分単位のもので、たいした開きが無かったそうです。実際に、かなりのスピードで追い抜いていった車と、何カ所目かの信号待ちで追いついたりします。まさに「そんなに急いでどこに行く」です。重大な事故を起こせば、その後の人生は暗転します。交通マナーを守り、安全運転をするに越したことはありません。