伊藤まさひろ世事感懐

猛暑の次は極寒?

ようやく一段落しましたが、今夏の暑さはからだにこたえました。気温が連日、35度を超えるなど、私が子どもの頃は考えられないことで、暑い日でもせいぜい33~34度ほど。それも何日もなかった記憶があります。

寒暖計が連日、高止まった今年は高知県の四万十市で国内歴代1位の41度を観測しました。体温をはるかに上回る気温は果たしてどのようなものなのでしょう。全国1位の暑さを体験しに観光客が四万十市に押しかけたということです。

夜になっても気温が下がらない夏でもありました。8月11日には都内の最低気温が30・4度。夜になったら庭に打ち水をし、縁台で夕涼みというのが日本の風物詩でしたが、それもずっと昔のことだったような気がします。

昨年までは「健康と節電のために、エアコンの使用は控えめに」と呼びかけられていましたが、今年は一転して、エアコンの適切な使用が推奨されました。どの家庭でもエアコンがフル回転。それを補うだけの電力が供給されたのが救いです。昨年、一昨年の電力不足の年にこのような猛暑だったらと思うとぞっとします。

気象庁によると、8月中旬の東日本と西日本は観測史上1位の暑さだったそうです。東日本では8月中旬の平均気温が平年より2・4度も高く、日照時間も平年の1・5倍ほどでした。太平洋の表面の温かい海水が、東風でフィリピン沖に寄せ集められるラニーニャ現象が原因として挙げられていますが、北半球に猛暑をもたらした偏西風の蛇行なども検討しなければなりません。気象庁ではこれから詳しい原因を調査するそうです。

うだるような夏の炎暑でしたが、冬は身が凍える厳冬になると予想する人もいます。昔から夏が暑ければ冬は寒くなると言われていますが、冬の厳寒化もラニーニャ現象のせいだということです。ラニーニャ現象は1年ほどで終わる場合が多いそうです。炎暑の次は極寒では身が持ちません。早くラニーニャ現象が終わり、過ごしやすい冬を迎えたいものです。