伊藤まさひろ世事感懐

フィルムコミッション

フィルムコミッションという言葉をご存知でしょうか。映画やテレビのロケ地をプロダクションに紹介する自治体などの組織のことで、本県では県の「千葉県フィルムコミッション」が積極的なプロモーションを行っているほか、佐倉市でも「佐倉フィルムコミッション」が映画やテレビプロダクションのロケ地探しに一役買っています。今回はフィルムコミッションの活動について紹介します

自治体が積極的に映画やテレビプロダクションのお手伝いをするのは、ロケが行われ、画面に登場した場所や施設の観光魅力度がアップするからです。その結果、訪れる人が増え、地元の観光収入増加も期待できます。また、地域の文化施設が紹介されることで、市町村のイメージアップにもつながります。

平成14年に設立された「千葉県フィルムコミッション」は、県が所有し管理する公共施設をロケ地として開放し、千葉県の豊かな自然、多彩な街並みをアピールしています。佐倉フィルムコミッションも、市内でのロケ地情報を提供するほか、ロケ地との調整や撮影当日の立会いを行っています。

市内の旧堀田邸や佐倉順天堂記念館、旧増田家住宅など、往時を偲ばせる建物は時代劇のロケハンにうってつけで、東山紀之さん主演の「小川の辺」「山桜」、綾瀬はるかさんの「ICHI」などでロケ地として使われています。また、テレビドラマ「JIN-仁―」でも旧堀田邸や佐倉市武家屋敷がロケ地になりました。高視聴率を上げたNHKの連続テレビ小説「梅ちゃん先生」では、堀北真希さん扮する主人公が、女子医学専門学校の合格発表を見に来るシーンが県立佐倉高等学校記念館で撮影されました。

県内ではこのほか、銚子市、芝山町、流山市、成田市がフィルムコミッションを設立し、ロケハンの誘致に努めています。千葉県は他県に比べて、プロダクションの拠点がある都内から距離的に近いという強みがあります。おおいにロケ誘致をしていただき、銀幕やテレビ画面を通じて千葉県をアピールしていただきたいと思います。