伊藤まさひろ世事感懐

3期目に臨む森田健作氏

これからの4年間、先頭に立って千葉県を引っ張る千葉県知事に森田健作氏が当選しました。2009年4月の初当選以来3期連続当選です。「自分の政治的見識、今まで積み上げてきたものをこの4年間で思いっきり燃焼してやろうと思っている」と決意を語った森田氏に、県民から大きな期待が寄せられています。

森田氏ら4人で争われた県知事選挙でしたが、午後8時の投票締め切りと同時にNHKが当確を打つ圧勝でした。しかも100万票を超す得票。これまでの2期8年間の県政に有権者が合格点を与え、さらに今後4年間のリーダー役を任す信頼の表れでもありました。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックで8競技が県内で開催されることもあって、県政の継続性が求められる選挙でもありました。このため、これといった失政が見当たらない森田氏の優勢はゆるぎないものでした。選挙運動期間中、森田氏は東京オリンピック・パラリンピックの8競技を県内に誘致した実績をアピールし、東京オリンピック・パラリンピックを地域の活性化につなげると力説しました。さらに東京湾アクアラインのETC搭載車両の通行料引き下げなど2期8年間の実績を訴えて、終始、選挙戦をリードしました。

「三段跳びで言うならば、1期目はホップ、2期目はステップ、3期目はジャンプ。千葉県は飛躍するという大いなる志や決意を持っている」と、出馬表明の記者会見で語った森田氏ですが、3期目の任期にはさまざまな課題も待ち受けています。8競技の誘致に成功した東京オリンピック・パラリンピックですが、競技会場仮設費の分担問題はまだ決着がついていません。多額の整備費用の負担を求められる可能性は依然として残っています。

さらに深刻な医師・看護師不足による医療問題や保育問題、財政問題など対応が迫られている課題が待ち受けています。国際化を進める羽田空港に対抗するため、成田空港の機能をいかに強化するかも差し迫った課題の一つです。「チーム千葉で4年間頑張りたい」と決意を語った森田氏の手腕に、千葉県の未来がかかっています。