伊藤まさひろ世事感懐

春爛漫

春の到来を告げる梅の花が終わったら桜が咲き、里山では白いこぶしの花が春風に舞う。房総の春は様々な花が満開。チューリップが公園の花壇などで花開くようになると、もう春真っ盛り。

花を愛でることで日本人に伍する民族は、そうはいないでしょう。冬が終わり、暖かさが戻ってきたことを告げる花を日本人は昔からいとおしんできました。なかでも、桜への愛着は熱狂的なものがあります。桜満開の上野公園に見物に行った知人の話では、平日にもかかわらずものすごい人出で、公園内の桜並木メーンストリートは満員電車のようだったそうです。

春が来るたびに毎年、延々と続く桜並木、畑の中で独りピンクの花を付ける古木など、あちこちの有名な桜を見物に訪れ、桜前線とともに北上して、必ず弘前の桜で最後にする人がいます。北国の桜は、厳しい冬の間につぼみの中に溜め込んだ花の力が一気に放たれるようで、見事の一言に尽きるそうです。

愛でるとは美しさを味わい感動することです。日本人が愛でるのは春の花だけにとどまりません。これから5月になると新緑を愛で、秋には紅葉を愛でます。外国人にとって草木の花はともかく、日本人の紅葉見物は理解し難いそうです。色づいた葉は役目が終わった単なる「シック・リーフ」病気の葉で、それをなんで愛でるのかと首を傾げます。

記録的な大雪や、中国から飛来するPM2.5などによる自然への影響を心配しましたが、色とりどりの花がつぎつぎと開花したところを見ると、春は無事にやってきたようです。これからもずっと、四季の表情豊かな日本であって欲しいと思います。

膨大な予算確保をどうすればいいのかなど、財政規模がそれほど大きくない自治体が横浜方式をそのまま採用するには困難な点もあります。加えて、保育の質確保、保育士不足への対応などの課題もあり、待機児童対策は簡単にはまいりません。しかしながら、待機児童解消は少子化対策ばかりか、女性の社会進出を促す上でも欠かせないものです。工夫を凝らし情熱を持って、待機児童の解消に努めて欲しいと思います。