伊藤まさひろ世事感懐

ストップ!自殺

内閣府が1日発表した自殺対策に関する意識調査によると、回答者の4人に1人が自殺を考えたことがあるということです。年代別では20歳代が最も多く、中でも20歳代の女性は3人に1人という高率になりました。これからの日本を背負っていく人の多くが自殺を考えるなどとは、なんとも由々しきことです。自殺を思いとどめさせるシステムづくりとともに、若者に将来への夢を抱いてもらえるような日本をつくりあげなければなりません。

今回の調査では、これまでに自殺を考えた経験がある人は全体の23・4%になり、前回2008年の調査より4・3ポイント増えました。20歳代では28・4%、20歳代女性に絞ると、33・6%の人が自殺を考えたことがあると回答しています。内閣府の調査担当者は「周囲とのつながりが希薄な若者に焦点を当てた対策を講じる必要がある」と分析しています。

自殺サイトについてもアンケート調査が実施されています。インターネットでともに自殺する人を募るサイトが問題になっていますが、調査では4人に3人が規制をするべきだと回答しました。表現の自由などの問題もありますが、自ら命を絶つことをそそのかすようなサイトは、削除するなど何らかの規制をするべきだと私も思います。

一方、千葉県での自殺者はこれまで、年間1300人前後で推移してきましたが、平成21年には1464人と、前年より122人の増加となってしまいました。不況による生活苦などで自殺する人が目立っているとのことですが、不況で就職できなかったり、解雇されたりして前途を悲観し、自殺を図った若者がいたとしたら、なんと悲しいことでしょう。

県では自殺を未然に防ぐために「千葉県自殺対策推進計画」を作成し、さまざまな対策を講じています。「一人ひとりの気づきと見守りで自殺を防ぐ」をスローガンとして掲げていますが、思い悩み、自殺を考えている人は外部にその兆しを示しているそうです。やはり、周囲の人々がいち早くそれに気づいてやることが自殺を食い止める最善の方法であることに変わりはありません。