伊藤まさひろ世事感懐

東京五輪ボランティア

2020年東京オリンピック・パラリンピック大会期間中やその前後に、県内で交通案内や観光案内などの「おもてなし」を行う都市ボランティアの募集が始まりました。募集人員は3000人。12月10日まで応募が受け付けられるということです。

東京オリンピック・パラリンピックのボランティアには大会会場で競技進行の裏方などを務める大会ボランティアと会場最寄り駅や空港などで交通案内や観光案内を行う都市ボランティアがあり、千葉県が募集するのはこのうちの都市ボランティアです。レスリングなどの会場となる幕張メッセがある千葉市、サーフィン競技が行われる一宮町のほか成田市、浦安市で活動します。

「志願者・奉仕者」「自ら進んで社会事業などに参加する人」を意味するボランティアはラテン語のボランタール(自由・正義・勇気)からきていて、その起源については17世紀中ごろのイギリスで自分たちの村や町を守ろうと、自ら進んで自警団に参加した人々をボランティアと呼んだなどの説があります。日本では1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で大きな被害を被った被災地にたくさんのボランティアが駆けつけ、震災後1カ月間は1日平均約2万人、震災後1年間では約137万人が被災者の救援や被災地の復興に尽力しました。この年を我が国の「ボランティア元年」と呼ぶそうです。

ボランティアは自発的な無償の行為です。今回、募集される東京オリンピック・パラリンピックの都市ボランティアも、活動中の飲食や滞在先から活動場所までの交通費が一定額支給されますが、活動期間中の滞在先までの交通費、宿泊費は自己負担です。森田健作知事は記者会見で「(自己負担を)いかにカバーできるか、少しでもお手伝いできるかを考えていかなければいけない」と述べました。ボランティアの負担をすこしでも軽減するのは望ましいことです。

競技会場や選手村、大会関連施設などで観客サービスや競技運営のサポートなどを行う大会ボランティアは総勢8万人が必要だそうです。東京都は3万人もの都市ボランティアを募集しています。大勢のボランティアの力でぜひとも2020年東京オリンピック・パラリンピックを成功へ導いてほしいと願っています。