活動報告

伊藤まさひろ世事感懐

平成30年2月 孤独担当大臣

イギリスの内閣に「孤独担当大臣」が新設されました。「孤独」に困っている人のための総合的な政策を率いるということです。少子高齢化の急激な進展で、イギリスに負けず劣らず一人暮らしのお年寄りが増え、孤独死が社会問題化している日本でも対策を真剣に考える時期がきたのではないでしょうか。

英国議会に設けられた委員会の調査では、900万人以上の人々が常に、もしくはしばしば「孤独」を感じており、その3分の2が「生きづらさ」を訴えているそうです。さらに、高齢者65万人のうち、月に1度も友人や家族と会話をしないという人は20万人、週に1度では36万人に上るという結果が明らかになりました。

この調査を元にして、孤独は認知症や高血圧に結びつき、肥満や1日に15本のたばこを喫煙するよりも有害とする警告がなされ、孤独がイギリスの国家経済に年間320億ポンド(約4・9兆円)の損失を与えると結論付けられました。

わが国でも一人暮らし世帯が増えています。国立社会保障・人口問題研究所の最新の推計によると、2000年に27・6%だった一人暮らし世帯は、2040年には39・3%になるとされています。実に5人に2人が一人暮らしということになります。さらに深刻なのは高齢者の一人暮らしです。1970年中ごろから晩婚化・未婚化が進展、結婚しなかった男女が次々と高齢期を迎えるために、2040年には高齢者男性の20・8%、女性の24・5%が一人暮らしだと推計されています。高齢者男性の5人に1人、高齢者女性の4人に1人が一人暮らしをしていることになります。

イギリスでの警告を参考にするまでもなく、話し相手になる伴侶や家族がいない独りぼっちの生活は精神衛生上良いはずがありません。体の具合が悪くなっても身近に救いを求める人がおらず、そのまま孤独死する人も増えています。

イギリスの孤独対策を紹介した新聞記事によりますと、イギリス政府は孤独の問題に関する調査を開始し、人々を結びつけるコミュニティ活動に対して金銭的な助成をすると発表しました。我が国でも一人暮らしの人々が孤独に陥らないよう、さまざまな方策を考え、実施に移すことが求められています。

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