活動報告

伊藤まさひろ世事感懐

平成29年7月 ヒアリ水際撃退を

特定外来生物のヒアリが国内各地で発見され、騒動を引き起こしています。アメリカなどでは死者も出ている凶暴なアリだということです。これまでのところ、巣が見つかったのは港湾だけにとどまっていますが、内陸部まで広がっては駆除が困難になります。「殺人アリ」撃退の水際作戦成功を祈ります。

神戸港から兵庫県尼崎市に運ばれた中国からのコンテナからヒアリが発見されたのを皮切りに福岡や名古屋、大阪、東京・大井ふ頭などで次々と見つかっています。福岡では作業員が刺されるという被害もでました。本県でも、大井ふ頭でヒアリが発見されたコンテナが一時、君津市に運ばれたことから、トラップ(粘着性捕獲器)や毒餌を搬入場所に設置するなどの騒ぎになりました。

ニュースなどでご存知かと思いますが、ヒアリは南米原産の体長2.5ミリ~6ミリほどの小さなアリです。凶暴で刺されると強い痛みを感じ、アナフィラキシーショックを起こすと生命にもかかわります。貨物に紛れ込んでアメリカやオーストラリア、中国、フィリピン、台湾などに渡り定着しています。

厄介なのは公園や学校、農地などの開けた場所に好んで巣を作り、他のアリと違って一つの巣に女王アリが10~20匹いるため繁殖力が強く、瞬く間に数を増やすことです。アメリカ南部の繁殖地では毎年、住民の40%が刺されるということです。大人ならば体についたヒアリを払い除けることができますが、アメリカでは公園のヒアリの巣の上に幼児を乗せた乳母車を置いたため、全身を刺された幼児が死亡するという痛ましい出来事もあったようです。

ヒアリの侵入が怖いからと言って貿易をやめるわけにいきません。一にも二にも港湾で侵入を食い止める水際防除が大切になります。本県には貨物取扱量全国2位の千葉港や木更津港があります。君津市に運ばれ、さらに大井ふ頭に戻されたコンテナを運んだ貨物船が千葉港に寄港していたことから、千葉港コンテナターミナルに毒餌を置くなどの措置が取られました。

同じように、国内でヒアリが見つかったニュージーランドは徹底した駆除を行い、絶滅宣言を出しました。監視と防除が大切だということです。1995年に国内で発見されたオーストラリア原産の毒グモ「セアカゴケグモ」が今では40都道府県で確認され、日本に定着してしまった例もあります。厳重な監視と防除で何としても定着を防ぎましょう。

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