伊藤まさひろ世事感懐

千葉市、相次ぐ大型店の撤退

千葉駅前の三越千葉店が来年3月に店を閉じるそうです。かつては千葉市の旗艦的な大型百貨店として買い物客に親しまれていただけに、次代の移り変わりに一抹の寂しさを覚えます。

三越伊勢丹ホールディングスが三越多摩センター店とともに、来年3月の閉鎖を明らかにしました。三越千葉店は1972年に地元百貨店だった奈良屋と合弁しニューナラヤとして開店、1984年には千葉三越と改称しました。開店当初は高級百貨店の三越が千葉市に開店したと話題を呼び、最盛期には年間507億円の売り上げを記録しましたが、今では4分の1まで減少し、営業赤字が続いていたそうです。

郊外への大型ショッピングモール、アウトレットモールの開店、インターネットショッピングの隆盛によって近年、百貨店の営業は厳しさを増しているそうです。三越千葉店も例外でなく、苦戦を強いられていました。

千葉パルコが今年11月末の閉店を明らかにしており、千葉市民に「センプラ」の愛称で親しまれていたセントラルプラザも閉店して既に15年の月日が経ちます。一時は市内に4店あった百貨店も、三越千葉店の閉鎖後は千葉そごうの1店だけになります。

街のにぎわい創出の施設である百貨店の相次ぐ閉店は、街づくりの上からも大きな痛手です。新しい千葉駅ビルのオープンが近々予定されており、三越千葉店などを核として周辺の再開発が進められようとしていただけに、計画の練り直しが必要になるでしょう。

熊谷俊人千葉市長も「閉店は大変残念」とコメントを出しました。三越千葉店の閉鎖で周辺が空洞化しないよう、撤退した後のビルや土地の有効利用が望まれます。