伊藤まさひろ世事感懐

日本遺産に「北総四都市江戸紀行」

6月定例県議会で、県議会質問戦のトップバッターとして、自民党を代表し質問する栄誉を得ました。県議会最大会派自民党の代表質問ですから、森田知事の政治姿勢を初めとして、広く千葉県政の課題、将来像について県執行部に聞かなければなりません。質問は15項目にも及びましたが、その一つひとつに、県執行部から丁寧な答弁をいただきました。

多岐に及んだ質疑の中で、時機を得たのが「日本遺産」の認定です。文化庁が手掛けている事業で、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定するものです。4月に審査委員会が開催され、新たに19件が認定されました。その一つとして、千葉県の「北総四都市江戸紀行・江戸を感じる北総の街並み」が「日本遺産」に認定されました。

どのような点が評価されたのかという私の質問に、県教育長は「城下町の佐倉、門前町の成田、商家の町佐原、漁港・港町銚子という4種の町並みを江戸に続く水運と街道でつなぎ、この地域が人や物の往来で江戸を支えるとともに、江戸の文化を取り入れた祭りや食文化などにも独自の発展を遂げたことをストーリーとしてまとめたことが、評価されたのではないか」と推し量りました。

また、「成田空港からも近く、現在でも古い町並みが残り、江戸情緒を味わえることから、来日する外国人が気軽に立ち寄れ、日本の歴史と伝統文化を身近に触れられるということも大きなアピールポイントになったのではないか」とも答弁しました。確かにその通りで、佐倉市をはじめとする4市に残る江戸時代の文化遺産は、千葉県の宝でもあります。

ただ、認定されただけで満足してはいけません。認定された「日本遺産」をどのように活用するかがこれからのテーマです。4市は県とともに「日本遺産北総四都市江戸紀行活用協議会」を設立し、次世代への継承と地域の活性化及び観光振興を進めていくということです。

また、多言語によるパンフレットを作成し、ガイド養成などの人材育成、シンポジウム・モニターツアーなどの開催を通じて、「世界から一番近い江戸」を積極的にプロモーションするそうです。ぜひとも、千葉県の「日本遺産」を効果的に発信し、観光客の増加につなげていただきたいものです。