活動報告

伊藤まさひろ世事感懐

平成27年6月 認知症

高齢化社会の進展で認知症がクローズアップされています。適切な介護態勢の充実とともに、治療技術の進展が望まれます。

厚生労働省の発表によりますと、全国の認知症患者は平成24年の時点で約462万人と推測されていて、さらに平成37年には700万人を超えると見込まれています。65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患することになります。千葉県も同様の傾向で、現在約11万8000人の患者数が平成37人には16万5000人と、1・4倍にも増えると予想されています。

認知症患者のうち、60%がある種のたんぱく質の蓄積で脳が萎縮するアルツハイマー型といわれています。そのほか、脳の血管の異常で発症するものなどがありますが、いずれも記憶障害が徐々に進行していき、今のところ、根本から治す治療薬が無い厄介な病気です。

認知症を治すことはできませんが、症状の進行を遅らせることはできます。薬と併用して簡単な計算や音読、脳に刺激を与える音楽・芸術療法、昔の話を思いだして話す回想法が有効といわれています。

生活習慣や食生活から認知症を予防する方法も研究されてきました。野菜や果物、魚をよく食べ、週3日以上の有酸素運動、人とよく付き合う、文章を書いたり読んだりする、30分未満の昼寝をし、起きたら2時間以内に太陽の光を浴びるなどが有効だそうです。ポリフェノールを含んだ赤ワインを飲むのも良いといわれています。イタリア人に認知症患者が少ないのは赤ワインをたくさん飲むと同時に、料理などにふんだんに使うオリーブ油が効果的ではないかとされています。

認知症を根本から治す薬の開発も世界中で急ピッチで進められています。イギリスではアルツハイマーを引き起こすたんぱく質の蓄積を抑える治療薬が最終段階にあり、早ければ来年にも認知症を根本的に治す薬ができるかも知れないといわれています。近年ではips細胞を使用しての治療薬開発が試みられています。国内の治療薬開発に対して国による最大限のバックアップを期待します。

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