活動報告

伊藤まさひろ世事感懐

平成25年10月 日本人の民度

「世界で一番、民度が高いのは日本人」という調査報告がインターネットを中心に出回りました。世界168カ国を対象に国連が調査したとされています。ただ、国連がそのような調査自体を否定し、真偽が怪しいのですが、民度が世界一とされた我々日本人は悪い気はしません。ちなみに2位はアメリカ、3位はフランスだそうです。

民度とは市民が政治や社会、文化にどの程度の意識を持っているかということで、民度が高いほど、市民社会が成熟しているとも言えるそうです。そんなに難しく考えなくても、道路にゴミを捨てない、列に割り込まない、だまって他人のものを持っていかないなど、私たちにとって当然なことが優れた民度の表れとして、外国から評価されたりします。

品物が入ったダンボール箱がしばらく道路端に置いてあっても、だれも持ち去ろうとしなかったという動画が「路上に放置してある荷物を盗らない日本人は凄いの!?」というタイトルで紹介されました。これに対して、様々な国の人から「なぜだれも持って行こうとしないんだ」「日本人のまじめさとモラルの高さは素晴らしい」などの感想が寄せられました。東日本大震災の際に、被害を受けた商店からの略奪行為がまったくなかったのも、外国から賞賛されました。このほか、バスや電車に乗るときなどに整然と並ぶシーンは、日本人の規律性の例として紹介されています。

キリスト教の宣教師、フランシスコ・ザビエルは「日本人は名誉心が強く、驚くほど理性や道理に従う」と記しています。神道や仏教、儒学が日本人の考え方に与えた影響も見逃せません。加えて、作家の堺屋太一さんは「勤勉に働くことは人生修行」と説く江戸時代の思想家、石田梅岩の石門心学が今日の日本人の倫理観、美意識、生活様式、人間評価に深い影響を与えたと述べています。日本人の資質に加えて、これらの宗教や学問が日本人の民度を形作ったのでしょう。

しかしながら、日本人の民度も個人個人の考え方の多様化で、ずいぶんと変わってきました。「他人を思いやる心」を基軸にした日本人の美徳がこれ以上、色あせてしまうのを防がねばなりません。道徳授業の充実も大切です。そして、何よりも私たち大人が子どもたちの模範となるような行動を心がけようではありませんか。

印刷 閉じる