活動報告

伊藤まさひろ世事感懐

平成25年4月 姿を消したスズメ

最近、めっきりとスズメの姿を見なくなりました。昔は庭で餌をついばむスズメがいくらでも見られましたし、黄金色に実った稲が揺れる水田を、群れをなして飛ぶスズメは、日本の風物詩でした。そのスズメが、全国的にかなり前から減り続けているらしいのです。

大学の研究者の調査によりますと現在、日本に生息しているスズメは1800万羽ほどで、20年前に比べると、少なく見積もっても半分まで減ってしまっているということです。50年前との比較では、10分の1にまで激減しているそうです。

スズメは人間に寄り添って生きている鳥で、都会や農村に生息していますが、奥深い山奥には住んでいません。そのため、スズメの減少は人間の暮らしの変化が影響しているのだろうと推測されています。まず考えられているのが、昔ながらの茅や日本瓦で屋根を葺いた住宅の減少です。隙間が無いスレート瓦の屋根が増え、スズメが屋根に巣を作りづらくなりました。

このほか、「コンバインなどの普及で、田に落ちる籾が減った」「都市部で空き地や未舗装の道が減り、餌になる植物の種が減った」「減反で水田が減った」などの理由が考えられています。電磁波の影響という説もあります。ただ、2006年に北海道でスズメが突然、姿を消したり、イギリスでもスズメの減少が報告されているなど、先に上げた理由では説明できない現象も起こっています

イギリス政府は、「スズメが減っているのは人間にとっても良くない環境変化が進んでいる証拠」と、原因究明に乗り出しました。地球温暖化、オゾンホール、大気汚染など思いつく地球環境の変化はいくつもあります。スズメの減少は人間の未来を暗示しているようで、なにやら不気味です。わが国でも大掛かりな調査と研究が待たれます。

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