伊藤まさひろ世事感懐

2月県議会で新年度県予算案審

2月定例県議会が開会し、議案審議が行われています。2月県議会の最も大事な役割はなんといっても、新年度の県予算案を審議することです。県から提案された新年度予算案が、だれもが住みやすいと思える千葉県を築くためにふさわしいかどうか、あらゆる方向から検討を加えていきます。

2月17日の開会日に上程された平成24年度千葉県当初予算案の一般会計総額は、今年度予算の一般会計より2・6%アップの1兆6001億800万円で、実質的に過去最大の予算規模になりました。県ではこの予算案に盛り込まれた各事業の実施で、「暮らし満足度日本一」の千葉の実現と「災害に強い元気な千葉県づくり」を目指したいとしています。

「暮らし満足度日本一」の千葉の実現のために「安全・安心のまちづくり」「医療・福祉の充実」「笑顔輝く子どもを育てる県づくり」「観光と魅力あふれる県づくり」「雇用・産業振興、交流基盤の整備」が掲げられました。具体的には移動交番車の増強、振り込め詐欺・悪質商法被害抑止コールセンターの設置、学校の耐震化促進、医師・看護師の確保対策、子ども医療費助成を中学3年生まで拡大、ちばアクアラインマラソンの開催、中小企業振興基金融資枠の拡大などの事業が立案されました。

「災害に強い元気な千葉県づくり」は東日本大震災への対応が中心です。市町村復興基金交付金を県内全市町村に交付するほか、放射性物質の監視・調査体制の整備・強化、新エネルギーの活用調査、水門操作遠隔化システム整備などの事業が予定されています。

高齢化社会の進行による社会保障費の増額や震災対応などで実質過去最大規模になった新年度予算案ですが、デフレや震災の影響で税収が落ち込んだままとあって歳入の確保に四苦八苦しています。およそ286億円の財源不足を埋めるため、職員の退職手当債を発行することにし、さらに基金をあちこち取り崩す計画です。

県債発行は全体で2509億5200万円を予定しています。県債という借金に頼った予算編成が千葉県の将来に重大な禍根を残さないか、議会審議を通じて慎重に判断したいと思います。