活動報告

伊藤まさひろ世事感懐

平成23年10月 竹林の荒廃を憂う

里山などで竹がうっそうと茂っている竹林をよく見かけるようになりました。手入れがされないため、荒廃した竹林です。

竹はイネ科の植物で生育が早く、親と同じ大きさになるのに2―3週間ほどしかかかりません。間伐などの手入れをしないと、竹が密生して育ち、下草や低木への日光をさえぎるほか、土中の養分を奪って枯らしてしまいます。そればかりか、隣接の休耕農地や人工林、宅地を侵食してその勢力を拡大します。

荒廃した竹林が目立つようになった原因として、まず農業後継者の減少による人手不足が挙げられます。このほか、竹細工の品物がプラスチックで作られるようになり、さらに中国からタケノコが安く輸入されるようになって、国産タケノコの需要が振るわないことも考えられます。竹炭が人気ですが、とても需要を盛り返すまでには至りません。

竹は昔、人々の生活にとってなくてはならない植物でした。籠や笛、竿、箸など、竹冠が付く漢字が多いのも、いかに竹が有用な植物であったかを示しています。それが、需要の減退や人手不足でいつしか手入れがされなくなりました。黄褐色になった古い竹は硬く、伐採するにも大変で、竹が密生して生い茂る山は売買価格が大きく下がるそうです。

適度に間引きされ整備された竹林は風がそよと吹き渡り、差し込む日差しが揺れて気持ちがいいものです。最近では竹の飼料化の研究に産学官で取り組まれたり、自動車の内装材に使用する試みがされたということです。竹林の手入れを土地所有者から無料で請け負い、間伐された竹材を販売して利益を得ようという会社も誕生しました。竹の需要を増やして、なんとか、昔ながらのきれいな竹林を取り戻したいものです。

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